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らぶがたり。


まるまった猫助のくるりとしたフォルムに、ファルコンを思い出す。

ファルコンといえばミヒャエル・エンデの名作、ネバーエンディングストーリー。
アトレーユの男前っぷりったらない。妹風に言うなら、「奴はイケだな!」です。
命を受けたとはいえ、結局は己の意志の元、身一つで使命を果たしにこの世の果てを探しにゆくんだよー。友に裏切られても尚赦すその寛容さも然り。うああ、なんてかっこういいんだ。なんなんだよ!

つい一昨日くらい、常に恋愛トークしか寄越さない、しかしとても仕事の出来る情愛深い旧友が、
「私、花束寄越す男って意味わかんない。それよりも、山に篭って一ヶ月、君の為に修行して作った器だよ。なんて物をプレゼントされる方が愛を感じる」
と言いやがりました。本気の本気で。だから御前は変な男にばっかり惚れるんだよもォォ。と、思ったのは内緒。にはせずそのまんま言いました。かぐや姫かよ、と。現代に生けるアトレーユを探してください。

そんなやりとりを思い出してついうっかり、モモを借りてしまった。
面白いと前評判ではよく聞くけど、どうなのかなあ。ナルニアシリーズのラストの宗教色溢れる裏切られっぷりったら無かったから、子供向け小説には最近少し臆病。



最近、お気に入りの本といえば吉田篤弘。
江國香織が嗜好品の小説だとしたら、吉田篤弘はご飯の小説。
だから、一度に何冊もは読めませんのです。おなかいっぱいになるから。
おなかが空いたときに、ゆっくり咀嚼しながら、が、理想の作家さんです。

別名でも何冊か出されていて、ご夫婦でユニット組んでるクラフト・エヴィングって著作名の、
『実はわたくし、こういうものです』が凄まじく傑作。
冬眠図書館の、シチュー当番。とか、月光密売人、とか、秒針音楽師、とか。架空の職業を実在の人のイメージから練り上げちゃうんだよ。面白い。

吉田さん単体だと、『という、はなし』が一番好き。
オトナ向け童話小説で、読みやすくて挿入されてるイラストも可愛らしい。好み。
普通に長編小説だと『それからはスープのことばかり考えて暮らした』も好き。のんびり小説。

森絵都に似てるけど、ちょっとだけ男のヒト特有の機転の利いた洒落が散りばめられた、からりとした良作揃いです。なによりタイトル付けが上手い。
思うのだが、コピーライティングってやっぱり男のヒトに向いた職業なのだと思う。性質的な向き不向きとして。女の人のは、どうしてもねっとりというか、しっとりというか。多分、女性の方が圧倒的に情緒が複雑なのだろう。だからね、あんな素敵に下品にも爽快にも、描けないのだ。簡潔にして端的には。単に好みの問題なのかもしれないけれど、も。ももも。
さて置き。最近レトルトばっかり食ってるなーとか、身体に善いもん食べたいなーとか感じた時に、是非ご賞味アレ。


映画の方では『クワイエットルームにようこそ』が、最新ヒット。
松尾スズキに対して賞賛より先に嫉妬が湧いた時点で、まだいけんなァと思ったのはそれこそ内緒。
あの映画で初めて、蒼井優は美人さんなんだと、思い知りました。鳥肌立つ。

鳥肌立つといえば、『中国の植物学者の娘たち』が、もう。なんだれは。
話の内容は正直、当時の中国の世情が知れるだけあって、あまり爽快なものではなかったけど、好みでもなかったけど、も!画が良かった…! 植物園の緑が、河が、空が、全部全部緑だった。昔、青も碧と言い習わして尊んでいた理由の切れ端も齧る。うはあ、って、なります。濃密過ぎて。中国、綺麗だなあ。ほんとうに。



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