忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第如何夜



こんな夢を見た。

夜気に誘われてがらり戸を開くと、二匹の猫が足許へ擦り寄って来る。
一匹は黒漆を湛えた様な玄色で、一匹は灰掛かった肢体にやはり薄い灰を帯びた縞を纏っている。
彼らは鳴きはせずとも、其の軟らかい身体をするりと寄せては、擬っと見詰めて小首を傾ぐ。強請られているのだろうか。瞬きもしない四つの眸。
夜闇観賞を諦めて台所に引き返す。残り物の飯を適当に解して与えてみれば、物言わぬ彼らは少しだけ嬉しそうに虹彩を細めた。

そんな夜が、幾夜か続いた或る日。
片手に夕餉の残りを双皿、もう片手には晩酌様の缶ひとつ。やや手間取ったがらり戸の開閉の先に、大人しく鎮座する彼らの姿は見当たらない。
不思議に思う程度には、彼らとの絆を深めていた。皿を置く、床が鳴く。

ことり、



――俄かに騒がしい。

塀の向こうに横たわる大川が、明滅する朱色で氾濫していた。河川敷が、川面が、燃えた様に朱い。
子供が、子供が、
引き攣れた叫ぶ声に、水を掻き分ける音が混ざる。
子供が、子供が、








飽きた。

本当に変な夢を見たので其の儘書いてみようと思ったけど、オチまで行き付かず。

過去一番ぐっときた本は、夢十夜です。



最近、古い言葉遣いの出てくる本を好んで読んでいた所為か、気を許している人を指す時に「あれは、」とか「此れは、」とか云ってしまってる事を、後輩に指摘されてしまって嗚呼ァ。
こう云うの、うつりますね。でも、此れは宜しくないめの表現ですね。気を付けよう。

ちなみに、颯太くんと喋った後だと、必ずちょっと訛る。


PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード